|釧路の港で始まった情報発信の旅
「めしどき大将」としての8年間
北海道・釧路の港町で居酒屋を始めて、いつの間にか8年が過ぎた。
「今なんどき めしどき」──この言葉を看板に掲げて、俺はこの町で炉端焼きとともに生きてきた。
刺身盛り合わせ、羅臼産ホッケ、そして釧路発祥のザンギ。
地元の味を大切にしながら、時には観光客のリクエストに応え、時には常連と語り合いながら一日を終える。そんな毎日の繰り返しの中で、ふと気づいた。
「今の時代、料理だけじゃ伝わらないことが増えたな」
変わる時代と、届かなくなる声
昔は、口コミや紹介が全てだった。
「ここの大将が面白いぞ」「魚が旨い」「雰囲気が良い」
そんな言葉が人から人へ伝わって、新しいお客が来てくれた。
でも今は、スマホで検索し、SNSの評価を見てから来店する時代だ。
Googleマップ、Instagram、YouTube、そしてブログ。
画面の中の情報が、人の足を動かす時代。
なのに、俺は料理の腕には自信があっても、「情報発信」にはからっきしだった。
台湾からの観光客が気づかせてくれたこと
ある日、台湾から来たという若いカップルが店に入ってきた。
スマホを見せながら「この写真見てきました!」と笑顔で話す。
そこには、誰かがInstagramに投稿した俺のザンギの写真があった。
「え、これを見て来たのか?」
そう思わず声に出してしまった。
だって俺自身は、Instagramにそんな写真を投稿した覚えがない。
誰かが紹介してくれて、それが巡り巡って台湾まで届いていたのだ。
その瞬間、気づいた。
「これは、待っているだけじゃダメだ。自分でも発信しなきゃ、伝わらない」
それが、俺がブログやX(旧Twitter)、noteを始めるきっかけだった。
「Web5」という言葉との出会い
発信を始めてしばらくして、「Web5」という言葉に出会った。
最初は意味もよくわからなかったが、「自分の言葉や想いが資産になる時代」という説明に、なぜか胸が熱くなった。
俺が積み上げてきた人生、料理、店、そしてお客との関わり。
それを言葉にして伝えることで、未来の誰かとつながれる。
それが「資産」になるなら、やってみる価値は十分にあると思えた。
Web5が教えてくれた「言葉の力」
発信を始めて見えた、自分の価値
Instagramで料理の写真を投稿し始めたのが最初。
ついでに、noteに日々の出来事や、自分の過去を書いてみた。
アイスホッケーに打ち込んでいた少年時代、釧路に戻って居酒屋を始めた理由、過去の失敗や人との別れ──。
最初は誰にも読まれないと思っていた。
だが、ある日、noteの感想がXに届いた。
「大将の人生に励まされた」
「釧路に行ったら絶対寄りたい」
「Web5の考え方が面白い、もっと知りたい」
これには正直驚いた。
俺の人生なんて、どこにでもある普通のものだと思っていた。
けれど、誰かにとってはそれが「価値」になる。
この瞬間、俺の中で何かが変わった。
ブログは“今どきの炉端”かもしれない
昔の炉端は、ただ魚を焼く場所じゃなかった。
お客と話し、笑い、泣き、語る場所だった。
それが「居酒屋」の魅力でもある。
でも今の時代、画面越しに語ることも当たり前になった。
ブログは、いわば「もう一つの炉端」。
言葉を通じて、人の心に火を灯す場所だ。
「また読みたくなる」
「次は何を書いてくれるんだろう」
そんなふうに言ってもらえると、魚を美味しく焼けたときと同じくらい嬉しい。
これが、Web5がもたらした「言葉の商売」なのだと実感している。
仲間ができた。つながりができた。
Web5を知ったきっかけは、たまたまフォローした誰かの投稿だった。
「awabota」というキーワードは避けているが、そこで出会った人たちは、まぎれもなく“旅する仲間”だった。
釧路の港にいながら、東京や福岡、大阪、海外に住む人たちとつながれる。
Xの投稿に反応があり、noteでコラボの話が出たり、Zoomで語り合ったり。
まるで、全国に支店を持つような感覚だった。
料理だけではない、言葉を届け合う時代。
俺はこの流れに乗って、「めしどき大将ストーリー」という新しい看板を掲げることにした。
釧路の港から見えた“これからの商売”
外国人観光客が教えてくれたこと
ある日、店に若いカップルが来た。
日本語はカタコト、でもスマホの翻訳アプリを片手に注文してくれた。
台湾からの観光客だった。
クルーズ船で釧路に立ち寄ったという。
彼らが選んだのは「ホッケ焼き」と「カニクリームコロッケ」。
どこかで見たメニュー写真をスマホに保存していた。
Xでの投稿を誰かがリポストしていたらしい。
その瞬間、気づいた。
この居酒屋は、港だけにあるのではない。
インターネットという大海に、もう一つの“店”があるのだと。
「炉端風の動画」が世界を旅する
試しに、魚を焼く動画を30秒ほど作った。
BGMには演歌を流し、字幕には「めしどき大将」の名を添えた。
Instagramに投稿すると、反応は海外からも届いた。
「今度、釧路に行ったら絶対食べたい」
「この音楽と煙がたまらない」
「祖父が漁師だったので懐かしい」
漁師町の記憶が、言葉を越えて共鳴した瞬間だった。
地方の居酒屋が、世界とつながる時代。
それを可能にしたのが、Web5という“目に見えない航路”だった。
「商売」は売上だけじゃない
昔の俺は、売上=正義だと思っていた。
月末の数字に一喜一憂し、経費と利益のバランスばかりを気にしていた。
けれど今は違う。
言葉を届けること
誰かの心に「また会いたい」と思わせること
そして、自分自身が「語りたい」と思える人生を送ること
これこそが、俺にとっての「今どきの商売」なんじゃないかと思っている。
店で魚を焼くことも、noteで文章を書くことも、Xで動画を流すことも。
すべては「めしどき大将」という生き方の一部なのだ。
人と人がつながる“めしどき”という場所
「また来たよ」のひと言に支えられて
釧路の夜風が店に吹き込むころ、
ふらりと一人の常連客がやってくる。
カウンターに腰を下ろし、いつものようにビールを頼む。
「大将、今日はザンギある?」
そんな何気ない会話に、俺の心は満たされていく。
商売とは、誰かの日常の一部になること。
「また来たよ」と言われる店は、きっとその人の人生の中に
小さな灯をともす存在であるはずだ。
その灯を絶やさないようにと、今日も火を入れる。
焼き台の上で、ホッケがパチパチと音を立てる。
地方の小さな居酒屋から発信するということ
今や、釧路の一軒の居酒屋が、
XやInstagram、ブログを通じて日本全国、いや世界へと発信している。
一杯の酒、一皿の肴、そして一つの言葉。
どれもがコンテンツとなり、誰かの心に届く時代だ。
Web5を知ったとき、「これは俺の人生と繋がっている」と感じた。
ただの技術やトレンドではない。
「人と人との縁を、もっと深くする道具」だと確信している。
リアルの“めしどき”と、デジタルの“めしどき”。
どちらも俺が育ててきた“場所”であり、誇りである。
これからも、この港から
若い頃、アイスホッケーに夢中だった俺が、
今は魚を焼き、人を迎える。
人生は不思議な旅だ。
けれど、どんな場面でも俺が信じてきたのは、
「本気でぶつかる」ということ。
それはスポーツでも、商売でも、仲間づくりでも同じだった。
これからも俺は、釧路という港町で、
人と人が交差する“めしどき”を守り、育てていく。
そしてWeb5を通じて、
日本中・世界中の仲間たちとつながっていきたい。
“めしどき”とは、ただの食事の時間じゃない。
人生の転機であり、出会いの瞬間であり、
誰かの記憶に残る、あたたかい灯火なのだ。
|釧路の港で始まった情報発信の旅
